「な、何が起こったの?」

「んー、結果だけ言うと俺が雨愛と付き合うってことになった」

「亜美さんへのあてつけじゃなくて?」

「しつこいのは確かにあったけどこの間祐介にも言われて、俺が断ってると隙があるから諦めない子がいるんじゃないかって、まさに亜美がそうで彼女いないならっていうから」

「やっぱりあてつけじゃん、うっ」

「でも、困ってたし、いい時に電話くれて助かったんだよ」

「亜美さん……晴輝くんに積極的に行くって言ってた、家にまでついてくることだったんだね」

「バイト先まで来たよ」

「でも、亜美には付き合うっていったけどその勝手だとわかってるんだけど学校ではあと少し黙っておきたいんだ、告白してくれた子達に今は誰とも付き合わないって断ってきたから最初自分が決めてた就職決まるまで学校では待ってて欲しい……駄目かな?」

「うん、わかった晴輝くんの勝手は今に始まったことじゃないし……」

「えっ、マジか?ごめん」

「だって晴輝くんの都合じゃん、全部、この間だって言いたいことだけ言ってさっさと帰っちゃうし私の話聞いてくれないし」

ティッシュペーパーを取り出して涙と鼻水をふいていく

「ちょっと向こうむいて、恥ずかしいから」

「いやだよ、雨愛が勝手に泣いてるんじゃん」

「じゃあ、私が後ろ向く」

雨愛は晴輝に背中をむけた

肩を軽く揺らして泣いていた雨愛は少し落ち着いてきたのか鼻をすする音もしなくなった

「あー、雨愛、この間のことごめん、授業中泣いてたんだろ?祐介から聞いた」

「だからさっき言ったたじゃん、勝手だって、私はついてこられただけなのに」

「俺は墓を教えたことだけしか頭になくてさ、祐介がなんで亜美と雨愛が一緒にいたか考えろって言われて……俺のせいだったのにな」

「もう、いいよ、グスッ」

晴輝は後ろ姿の雨愛をそっと抱き締める

「何?」

「いや、可愛いなと思って」

晴輝は雨愛にキスしようと顔を近付けていく

雨愛は顔をそむけた

「やだ」

「どうして?付き合うっていっただろ?」

「泣いてる時は鼻水でてるから嫌なの」

「だいぶ落ち着いただろ?」

「恥ずかしいからやだ」

「こら、雨愛、やだやだばっかりじゃ駄目じゃん」

「だって勝手すぎる、いきなり付き合うなんて、そりゃ待つよ、私は……でもいきなりなんて」

「勝手は自分でもわかったし雨愛もそう思ってたんならもう納得して」