翌日から初めてのバイト生活が始まった。
コンビニの店員の仕事は思っていたよりずーっとハードで、朝から通勤の人がお弁当やパンを買って行くし、休みに入った学生たちがお菓子や雑誌などを買いに来たりする。昼間は子連れの主婦の人たちも来て、店はてんてこ舞いの忙しさだ。
最初は叔父さんの足をだいぶ引っ張ったが、終わる頃には、「大学生になっても続けないか?」と言ってもらえるまでになった。
大晦日の前日までバイトを続け、叔母さんには喜んでもらえて、1万円の約束だったバイト代を1万5000円ももらえた。
これで、樹里へのプレゼントが買える。
もらったお金を持って、すぐに樹里のプレゼントを買いにデパートに向かった。
僕が入ったアクセサリーショップの美人の店員さんはすごく親切で、樹里にいいなと思ったピアスをいくつかつけてみせてくれて、つけた時のイメージを想像させてくれる。
結局、一番樹里のイメージにあっていると思ったチェーンのついた月形のピアスを買った。
樹里は喜んでくれるだろうか。
大晦日は朝から、家の掃除や買い物など母さんと約束したとおり家の手伝いをする。
樹里に電話すると、年越しそばを食べに来ると言っていたので、そのことを母さんに伝えた。
「腕によりをかけて作るわ。美味しい年越しそばを食べさせてあげるって樹里ちゃんに言っといて」
母さんが張り切りだす。
夕方になって母さんから言い付けられた用事も全部済ましてから、樹里のマンションに向かう。
年越しそばは大晦日ならいつ食べてもいいらしいが、うちは夕ご飯代わりに食べている。
いつものように操作盤の前で待っていると樹里が出てきた。
花柄のフレアースカート、黒のニットのタートルネックの上にグレーのコートを着ている。
「隆司の家は年越しそばを食べるの早いのね」
少しでも樹里に触れていたくて、手を握る。樹里はチラッと僕の顔を見た。
「いつも夕ご飯で食べるけど、樹里の家は遅いの?」
「わたしの家は夜の11時ぐらいに食べるかな」
「夕ご飯はどうするの?」
「夕方に軽く食べるわ」
「へえー」
その家によって風習が違うものだなと思った。
それにしてもよく食べるんだな。だから、樹里もお兄さんも背が高いのかな。
家に着くと、母さんが玄関まで迎えに出てきた。
「樹里ちゃん、いらっしゃい。さあ、上がって」
母さんはすごく嬉しそうな顔をしている。よほど樹里のことが好きみたいだ。
「お邪魔します」
母さんは樹里をダイニングに連れて行く。
「こんばんは。また、ご馳走になります」
もう食卓についている父さんに挨拶して、樹里が僕の横に座る。
「樹里ちゃん、いらっしゃい。お兄さんは元気?」
父さんは自分と同じ妹Loveの樹里のお兄さんを気に入っているようだ。
「無駄に元気みたいです」
樹里の答えに父さんは苦笑する。お兄さんの愛情が鬱陶しいみたいだ。
コンビニの店員の仕事は思っていたよりずーっとハードで、朝から通勤の人がお弁当やパンを買って行くし、休みに入った学生たちがお菓子や雑誌などを買いに来たりする。昼間は子連れの主婦の人たちも来て、店はてんてこ舞いの忙しさだ。
最初は叔父さんの足をだいぶ引っ張ったが、終わる頃には、「大学生になっても続けないか?」と言ってもらえるまでになった。
大晦日の前日までバイトを続け、叔母さんには喜んでもらえて、1万円の約束だったバイト代を1万5000円ももらえた。
これで、樹里へのプレゼントが買える。
もらったお金を持って、すぐに樹里のプレゼントを買いにデパートに向かった。
僕が入ったアクセサリーショップの美人の店員さんはすごく親切で、樹里にいいなと思ったピアスをいくつかつけてみせてくれて、つけた時のイメージを想像させてくれる。
結局、一番樹里のイメージにあっていると思ったチェーンのついた月形のピアスを買った。
樹里は喜んでくれるだろうか。
大晦日は朝から、家の掃除や買い物など母さんと約束したとおり家の手伝いをする。
樹里に電話すると、年越しそばを食べに来ると言っていたので、そのことを母さんに伝えた。
「腕によりをかけて作るわ。美味しい年越しそばを食べさせてあげるって樹里ちゃんに言っといて」
母さんが張り切りだす。
夕方になって母さんから言い付けられた用事も全部済ましてから、樹里のマンションに向かう。
年越しそばは大晦日ならいつ食べてもいいらしいが、うちは夕ご飯代わりに食べている。
いつものように操作盤の前で待っていると樹里が出てきた。
花柄のフレアースカート、黒のニットのタートルネックの上にグレーのコートを着ている。
「隆司の家は年越しそばを食べるの早いのね」
少しでも樹里に触れていたくて、手を握る。樹里はチラッと僕の顔を見た。
「いつも夕ご飯で食べるけど、樹里の家は遅いの?」
「わたしの家は夜の11時ぐらいに食べるかな」
「夕ご飯はどうするの?」
「夕方に軽く食べるわ」
「へえー」
その家によって風習が違うものだなと思った。
それにしてもよく食べるんだな。だから、樹里もお兄さんも背が高いのかな。
家に着くと、母さんが玄関まで迎えに出てきた。
「樹里ちゃん、いらっしゃい。さあ、上がって」
母さんはすごく嬉しそうな顔をしている。よほど樹里のことが好きみたいだ。
「お邪魔します」
母さんは樹里をダイニングに連れて行く。
「こんばんは。また、ご馳走になります」
もう食卓についている父さんに挨拶して、樹里が僕の横に座る。
「樹里ちゃん、いらっしゃい。お兄さんは元気?」
父さんは自分と同じ妹Loveの樹里のお兄さんを気に入っているようだ。
「無駄に元気みたいです」
樹里の答えに父さんは苦笑する。お兄さんの愛情が鬱陶しいみたいだ。