眠れないまま夜中になり、カーテンを開けると久しぶりに見る満月が空に光っていた。

「晴れたんだ……」

何回ついたかわからないため息を落として、ベッドに横になる。

どんなに時間が経っても、やっぱり公志が死んだなんて信じられない。月曜日になればまた会えると思ってしまうのは、現実逃避だとわかっている。

それでも、信じたくないよ。

カーテンを閉めると、部屋はまた真っ暗に戻る。訪れる明日からを暗示しているようで、知らずに唇をかんでいた。

『茉奈果はそのままでいいんだよ』

ふと、彼の声が聞こえた気がした。