誰かが私を『まんなかまなか』と命名し、その愛称は瞬く間にクラスに浸透した。
普段は名前で呼んでいた友達でさえも、テストや体力測定で平均点が発表されると、おもしろがってそのあだ名で呼んできた。
そして、あだ名にふさわしくいつだって私は、平均点のあたりをさまよっていた。
たまに平均点以下になると、『まんなかまなからしくない』と批判されることもあった。
そのあだ名で呼ばれる時、私はいつも笑っていた。恥ずかしさと悲しい心を隠して、それでも笑うしかできなかった。
どんなにがんばっても平均点を大きく上回ることはなく、私は『まんなかまなか』 のまま、中学校を卒業した。

あだ名をつけられてから、もうすぐ三年が経とうとしている春。 私はまだ、『まんなかまなか』のまま、楽しいフリをして笑っている。