びゅん、と、ひと際大きな風が吹き、セーラー服の襞スカートを捲り上げる。

 あーあ、死ぬときだっていうのに、制服か。これじゃあ、筋金入りの優等生みたいじゃないの。パジャマで自殺……てのも、いかにもで、ダサイけど。せめて、お年玉で買ったピンクのドット柄のワンピース、着ておけばよかった。

 今から着替える? ううん、やめとく。ここで死ななきゃ、もう死ねない気がする。

 意を決して、手すりから手を離した。