もし、雨天様たちのことが見えなくなったら、どんな風に感じるのかな……。
ふと浮かんだ疑問の答えは、すぐに出た。
だって、私はそのことに気づくことすらないのだ、とわかっていたから。
記憶を消されてしまうのなら、雨天様たちのことが見えていたことすら忘れてしまう。
そうなれば、見えなくなった時のことなんてわかるわけがない。
見えなくなる時はきっと、とても寂しくなる。
もしかしたら、傷ついてしまうかもしれない。
それを忘れてしまうというのは、傷つかなくても済むということなのかもしれないけれど……。
傷ついてもいいから忘れたくない、と確かに思ってしまった。
その気持ちを振り払うように頭を振り、顔を上げる。
晴れた空は気持ちよくて、雨よりも晴れている方が好きだったはずなのに、今はなんだか太陽よりも雨が見たい。
「ひかり。明日の小豆は、大福にしようか」
「うん。あんこはたっぷりにしてね」
「ああ」
「雨天様! コンは塩大福も食べたいです!」
「それなら、明日は特別に両方作ってやろう」
他愛もない会話に、優しい笑顔。
いつかこの時の思い出も忘れてしまうのなら、たとえどんなに些細な出来事であっても、今だけでも心にしっかりと刻んでおこうと思った。
ふと浮かんだ疑問の答えは、すぐに出た。
だって、私はそのことに気づくことすらないのだ、とわかっていたから。
記憶を消されてしまうのなら、雨天様たちのことが見えていたことすら忘れてしまう。
そうなれば、見えなくなった時のことなんてわかるわけがない。
見えなくなる時はきっと、とても寂しくなる。
もしかしたら、傷ついてしまうかもしれない。
それを忘れてしまうというのは、傷つかなくても済むということなのかもしれないけれど……。
傷ついてもいいから忘れたくない、と確かに思ってしまった。
その気持ちを振り払うように頭を振り、顔を上げる。
晴れた空は気持ちよくて、雨よりも晴れている方が好きだったはずなのに、今はなんだか太陽よりも雨が見たい。
「ひかり。明日の小豆は、大福にしようか」
「うん。あんこはたっぷりにしてね」
「ああ」
「雨天様! コンは塩大福も食べたいです!」
「それなら、明日は特別に両方作ってやろう」
他愛もない会話に、優しい笑顔。
いつかこの時の思い出も忘れてしまうのなら、たとえどんなに些細な出来事であっても、今だけでも心にしっかりと刻んでおこうと思った。