駅の商店街よりさらに東側の住宅街をウロウロした。コンビニを見つけては意味なく入り、カフェにも何回か入ったので、すぐにお腹が水分でタプタプになった。

 和菓子屋で大福を購入。ケーキ屋にも入り、シュークリームを買ったので、コンビニでコーヒーを買い、イートインコーナーで、それを昼食代わりに食した。

 夕方までなんだかんだと過ごし、宿に戻った時には疲労困憊で、シャワーも浴びずすぐに寝てしまったくらいだ。
 
 睡眠時間を長くとることができたからか、目覚めはよかった。長めのシャワーを浴び、この旅、最後のチェックアウトをした時には、不覚にも泣きそうになった。

 いよいよ今日――佐藤と合流する。資料には待ち合わせ時間や待ち合わせ場所に関する記載はない。

 まぁ、向こうは私の持っているスマホの番号を知っているだろうし、さしあたり駅前くらいで待っていれば、ひょっこり顔を見せてくれるのではないかと考えていた。もし電話がかかってきたとしても、駅前なら説明もしやすい。
 
 私は末広ののれんをくぐった。

 仮に夕方、佐藤と合流するのなれば、これが最後の晩餐ということになる。

 体調は悪くない。今日は一際、空腹感が強い。むしろここ最近では良すぎるくらいだ。

 最後の晩餐だけに、目一杯贅沢することにした。

 今田に勧められた海鮮丼に加え、あら汁とヒラマサの刺身、景気づけに有頭の特大エビフライも追加した。