「それは別にかまわないんだけど。あなた、ひどい顔色よ。若いのに肌もガサガサだし、髪はパサパサだし。ろくに食べてないんでしょう。無理なダイエットでもしてるんじゃないでしょうね」
クッションの上に正座していたオネエさんは私にずいっと顔を寄せ、じいっと肌を観察している。確かにここ一か月ほど体調はボロボロだったので、あまり凝視されると恥ずかしい。
「いや、ええと」
視線から逃れるように身を引くと、がしっと肩をつかまれた。
「男は華奢な女が好き、だなんて幻想よ! 若いうちはちょっとくらい肉付きがいいほうが絶対モテるんだから」
「あの、ええと、はい……」
オネエさんの剣幕に押されて、思わず頷いてしまう。
すると、今まで成り行きを見守っていた女の子がオネエさんの袖を引っ張った。
「何よ、ミャオ」
ミャオ、と呼ばれた女の子はふるふると首を横に振って、ポケットから小さなメモ帳とペンを取り出した。何かを書きつけたそれを、オネエさんに見せている。
さっきからこの子は一言も声を発していないし、もしかして喋れないのだろうか。
クッションの上に正座していたオネエさんは私にずいっと顔を寄せ、じいっと肌を観察している。確かにここ一か月ほど体調はボロボロだったので、あまり凝視されると恥ずかしい。
「いや、ええと」
視線から逃れるように身を引くと、がしっと肩をつかまれた。
「男は華奢な女が好き、だなんて幻想よ! 若いうちはちょっとくらい肉付きがいいほうが絶対モテるんだから」
「あの、ええと、はい……」
オネエさんの剣幕に押されて、思わず頷いてしまう。
すると、今まで成り行きを見守っていた女の子がオネエさんの袖を引っ張った。
「何よ、ミャオ」
ミャオ、と呼ばれた女の子はふるふると首を横に振って、ポケットから小さなメモ帳とペンを取り出した。何かを書きつけたそれを、オネエさんに見せている。
さっきからこの子は一言も声を発していないし、もしかして喋れないのだろうか。