こころ食堂のおもいで御飯~仲直りの変わり親子丼~

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 それから。
 私は毎日、一心さんレシピのお味噌汁を作るようになった。具材は豆腐と、身体があったまるようにネギとしょうが。白菜とじゃがいも、細く切った人参とごぼうも入れて葉もの野菜と根菜もばっちり。豚肉があるときは、このレシピに加えるだけで豚汁になると書いてあった。

 丁寧にゆっくり。レシピ通りちゃんと分量を量って。一心さんに言われたことに気を付けて作ったら、初めてのレシピでもなんとか食べられるものができた。初めて作るものはだいたい失敗してきた私にとって、これは大進歩。
 最初は出汁がうまく取れなくて薄味のお味噌汁になってしまったり、具材が煮えすぎてしまってお鍋のようになってしまったりした。具材だって、これだけの種類のものを切るのは大変で、いびつな形になってしまった。
 でもお鍋いっぱいに作っておけば、朝も夜も食べられるし、お昼だってスープジャーにお弁当として持ち歩ける。一日一回の料理ですむというのは、今の私にはありがたかった。

 だんだん、具材の形もそろってきて、味も安定してくる。「今までで一番おいしくできたかも」という『一番』が毎日更新されていく。
 お料理って楽しい。上達していくのって嬉しい。初めての喜びがどんどん貯まっていくのに合わせて、身体の調子も良くなってきた。あんなにボロボロだった肌と髪もきれいになって、体重も元に戻った。むしろ、コンビニのつめたいごはんばっかり食べていた頃より体調がいい。
 お味噌汁と白いご飯しか食べていないのに。あったかい汁物を毎日摂るのって、大事なんだな……。