そう言いながら彼女は私に一冊の中学の卒業アルバムを見せてきた。
そして、そこに写っている1人の少年を指差した。
授業風景を撮ったであろうその写真の中で、その少年は他の生徒たちと同じように黒板を見ていた。
「これが…お兄ちゃん?」
私が尋ねると彼女はそうだよと面倒くさそうに言い、アルバムのページをめくった。
「ほら、これが多分中3の時に撮ったやつ」
一人一人のバストアップの写真が乗せられたページを開き、彼女はお兄ちゃんの写真を指差した。
『一ノ瀬響眞』
間違いなくお兄ちゃんの写真だ。
初めて見る中学生の頃のお兄ちゃんの写真。
思えば、私がいくらお母さんに「お兄ちゃんの小さい頃の写真ってある?」と聞いても、「出すのが大変だからまた今度ね」と誤魔化されていて、私は高校生以上のお兄ちゃんの写真しか見たことがなかった。
お兄ちゃんが中3の時私は生まれていたが、3歳の頃の記憶なんてほぼ無い。
そして、そこに写っている1人の少年を指差した。
授業風景を撮ったであろうその写真の中で、その少年は他の生徒たちと同じように黒板を見ていた。
「これが…お兄ちゃん?」
私が尋ねると彼女はそうだよと面倒くさそうに言い、アルバムのページをめくった。
「ほら、これが多分中3の時に撮ったやつ」
一人一人のバストアップの写真が乗せられたページを開き、彼女はお兄ちゃんの写真を指差した。
『一ノ瀬響眞』
間違いなくお兄ちゃんの写真だ。
初めて見る中学生の頃のお兄ちゃんの写真。
思えば、私がいくらお母さんに「お兄ちゃんの小さい頃の写真ってある?」と聞いても、「出すのが大変だからまた今度ね」と誤魔化されていて、私は高校生以上のお兄ちゃんの写真しか見たことがなかった。
お兄ちゃんが中3の時私は生まれていたが、3歳の頃の記憶なんてほぼ無い。