最高の誕生日が終わり、やがて6月になった。

ある日の6時間目、私たちは道徳の授業を受けていた。
テーマは『命について』という大雑把なものだった。

「皆さんは、『大人が人を殺したら刑務所に入れられる』ということは知っていますね。でも、例えば、皆さんくらいの年齢の子供が殺人を犯した場合、どうなるか分かりますか?」

教師の突然の質問に、顔を見合わせるクラスメートたち。
すると、学級委員の如月さんが手を挙げた。

「14歳以上なら少年院に入れられます。」

如月さんのその答えにそうねと頷く先生。

「でも、皆さんは13歳か12歳ですね。じゃあ、皆さんと同い年の子が殺人を犯した場合はというと、児童相談所にまず行くことになります。」

先生は分かりやすく説明するために黒板に図を書き出した。