「もうすぐよ、ルリ」
ララのその言葉に、ルリはドキドキしながら頭上を見つめゴクリと息を飲んだ。
「そろそろ海上に着くわ」
次第に明るさが増していく中、ララにグッと手を引かれたルリは、チャポンと音を立て海面から顔を出すと、あまりの眩しさに思わず目を細めていた。
これが、海上の世界?
こんなにも明るいの?
「ルリ、上を見て」
そう言われ、ルリは目を細めたまま視線を上に向けた。
「わぁ…綺麗」
この色は、何という色なんだろう。
ペンダントの色がエメラルドグリーンだということは知っている。
しかし、ルリはこの色の名を知らない。
「ララお姉様、あれが…空?」
「そうよ。あの空も、この海と同じように世界中に繋がっているんだって」
「海の色も綺麗だけど、空も、とても綺麗なのね」
「夜もとっても綺麗なのよ。キラキラ輝く星というものが空いっぱいに無数に散らばってるの」
ララの話を聞きながらゆっくりと海に背を倒したルリは、真上に広がる空をジッと見つめる。
するとその時、視線の先で何かが動くのが見えた。