「今日が特別な日だからよ。私も十五歳になった時、レイお姉様に海上まで連れて行ってもらったの。だからルリにも同じようにしてあげたいって思って。空の色がすっごく綺麗なのよ」


レイお姉様というのは、ララとルリの姉で、今はサウスリグーンという名の南の国にいる三姉妹の長女だ。


「そうなんだ。ありがとう、ララお姉様」「でも、今日だけだからね?一人で海上には行ってはいけないわよ?」
「うん、わかってる。決して一人では行かないわ」


海底に射す光は、空というものが与えてくれていると教えられてきた。

けれど、空を見たことがないルリは、まだその色を知らない。

一体、どんな色をしているんだろう。
胸いっぱいに広がる、ワクワクした気持ち。

光に向かって登っていくにつれ、ルリの心はどんどん高揚していった。