「雄…くん。」

すがるような目で雄大を見つめると、急に抱き抱えられる。

「きゃっ。」

突然のことに、琴葉は雄大にしがみついた。
そのまま、琴葉はお姫様抱っこをされて隣の寝室にあるベッドへ運ばれる。

そっとおろすと、今度は琴葉に覆い被さるようにしてまたキスをした。
身動きのとれない琴葉は、されるがままだ。
じたばたと足を動かすと、ようやく雄大はキスをやめる。

「心の準備?」

「あの、私、初めてだから、こ、怖い…。」

「わかってるよ。琴葉が嫌がることはしないから。嫌なら嫌って言って。」

「う、うん。」

嫌ではないけれど、と思うが早いか、雄大はさっきよりも優しいキスを繰り返す。
甘ったるいその行為は、保ちたいと思っている理性を簡単に吹き飛ばしてしまうようだ。

ふいに服の中に手を入れられ、琴葉は触れられるたびにいちいち反応してしまう。

「琴葉可愛い。」

どうしようどうしようと思いつつも、たくさんのキスとたくさんの甘くて優しい言葉に、いつの間にか自然と雄大を受け入れることができていた。