うん、いや、うん。
百人が百人聞いてもさっきまでの母さんの方が何億倍もうるさかったが、今はそれは置いておこう。
それよりも問題は他にある。
「なんだよこれ!」
「ねぇ?母さんが『はぁ?』なんだけど?何ってそんなの服と服とふ」
「そーではなくて!?これ全部新しく買っただろ!ずっる!うわ、ずっる!え?俺は?俺のは?まさかないとか言いませんよね?」
別に今着ている物で充分だけどとは思うけど、でもだって、新しく買ってもらえば嬉しいし、って言うか単純に彩蓮にだけは流石にズルすぎる。
「そうねぇ、ないわねぇ。とても残念だけれどないですねぇ」
「いや、何でだよ?普通は自分の子供にこそ買い与えるもんじゃないのか?」