「分かるー!せめてクーラーくらいさー。誰かが倒れでもしてれば良かったんじゃない?」

なにが『良かった』なのか……。

とにかく、そう返すはチームイッチーの中の一人、容姿端麗な鈴城さん。

「いーじゃんいーじゃん!取り敢えずこれで解放!明日からは待ちに待った夏休みなんだぜ?」

今のはクールボーイ中田くんだ。

「だなー。取り敢えずこの後どうする?」

そしてチームイッチー最後の一人、波野さん。

因みに波野さんはイッチーの幼なじみで、同い年ではあるがどこか保護者役っぽい大人しめの女の子だ。

「ね?成流くん。どこ行く?成流くん?」

波野さんが俺に声をかける。

俺こと宇田川(うだがわ)成流(なる)はところがどっこい、チームイッチーには属していない。