当初向かっていた図書館まではまだまだ道のりは長く、だが、その途中にあるあの駄菓子屋まではここからあと数分も歩けば着いてしまう。
一時期ではあれどこの暑さから解放される。
それだけで足取りが軽くなる程、とにかく今日は暑いのだ。
「おーばあちゃん!こんにちはー!」
「あれ、今日は早くに来てくれたんだねぇ」
「もちろん!昨日は冷たいお菓子ご馳走様でした!」
「いんやぁ、残り物ですまんけどもなぁ。貰ってくれてありがとねぇ」
昨日も来たからか、はたまた彩蓮の人懐っこさか。
おばあちゃんと彩蓮はとても仲良さそうに話している。
「しかしあれだな。アンタが来ると今年も夏が来たって感じがするなぁ」
「私が来なくてもこの暑さだもん。夏だよ、おばあちゃん」
「確かになぁ」