俺はつい最近、これと同じ光景を見た。

昨日。

夏休みの始まる前日。

終業式を終えた日。

僕は急に海に行きたくなって海に行った。

そこで見た光景と同じ光景が目の前に広がっている。

あの日は砂浜で一人。

今日は遠くに見えるそれを彩蓮と一緒に。

時間も場所も状況も全く違うのに、見えた光景の同一さに、今は“美しい”の言葉が俺の中に満ちた。

「成流?」

「あれ?」

うわ、最悪。

「大丈夫?帰る?」

「カキ氷、食い行くんだろ」

格好悪いって言うか気持ち悪。