まあ、そうなるよな。
俺だってそうなるわ。
うん、いいや。
このことは忘れよう。
どうせ家でダラダラしたりとか畑の手入れをしたりとかこうやって宿題をしたりとかその程度だろう。
記憶に留めるまでもない日常に過ぎなかったんだろう。
取り敢えず、鞄から出しもしていなかった物理の課題を出す。
と言っても鞄から出てきたのは数枚のレポート用紙と筆記用具。
高校最初に出された課題は“何のために?”感が拭えない『宇宙人はいるか?』についての作文だった。
「ちょっと見てくる」
俺は彩蓮にそれだけ伝えて図書の棚へと向かう。
こんな奇抜な課題のヒントになる著書があるのかと懸念したが、意外にも宇宙についての著書は豊富だった。