彩蓮は俺の遠い親戚。

 都会に住むこいつは何故か夏になるとうちにやって来る。

「よお、久しぶり」

「うん、それ昨日も言われたよ」

「そうか。で?彩蓮は何してたんだ?」

 いつ来ても、いつ見ても、こいつの見た目は小さいころから然程変わらない。

 華奢な体。

 色の白い肌。

 少し細めのすっきりとした二重。

 真っ黒真っ直ぐに伸びた長い髪。 

 それは懐かしさを感じるほどに、昔から本当に彩蓮は全く変わらない。

「畑からお野菜採ってきたの。成流くんちのお野菜って本当に美味しいんだもん。お昼にするなら食べておきたいじゃない?」