この暑さも。 波の音も。 蝉の鳴き声も。 陽の落ち方も。 俺の服装も。 滲む汗も。 明日からやってくる長い長い休みも。 全てが今は夏だと俺に教えてくる。 俺はゆっくりと目を開ける。 そこには広い海と、同じだけ広い無限に広がる空しかない。 青みを帯びた薄い紫色の空。 浮かんでいる雲は白ではなくて、夕陽に染まった赤紫色。 下にはその空の色を濃く映した海。