どうしようか。

特に意味も目的もないが俺は何だかとても一人で行きたいのだ。

「ほら、イチ!置いてくぞ!じゃあな、成流。帰ってきたら遊ぼうな」

ここは流石の中田くんだ。

俺の気持ちを察してかイッチーと僕をさっさと離れさせてくれた。

チームイッチーといつもより早く別れて俺は一人田舎道を歩いた。

田舎道とは言えどもすぐ横には畑があるから自分の畑をチェックしているお年寄り夫婦とすれ違った。

俺と同じ制服を着た女子が後ろから自転車で僕を追い抜いていった。

その間にも陽はどんとん沈んでいく。

昼間の間にたっぷりと熱を溜め込んだ夏の空気の中を歩いた。

すぐ間近くの林の中ではこの時間でも蝉時雨が高い音でで響いていた。