外に出るとまだ陽は沈み始めようとしているところで、まだまだ昼間となんら変らず明るいままだった。

「成流は?明日も来るだろう?ってか暇?あれだよな。どうせ夏休みなんだから冒険行くとかもありよな」

「暇だけど……。冒険って何するんだ?」

「チャリで遠くまで行ってみるとか?」

「いや、だっる!」

「だってさー、俺たちはこいつに置いてかれる身だぜ?なんか特別なことしたくなるじゃん」

 イッチーの言うこいつとは勿論中田くんのことだ。

「うるせぇなぁ。ちゃんとお土産買ってくるから勘弁しろって」

 中田くんは将来きっと良いお父さんになるだろう。

 ふとそんな事を思った。

 明日から夏休みと言うこともあり、誰も急ぐこともせず、タラタラと熱気のたまったアスファルトの上を歩く。