そんな会話を交わしながら、たった今プリクラコーナーから合流したばかりの鈴城さんと波野さんはまた僕達から離れていく。
「しっかしアレよなー、イチは天然だから困る」
イッチーがプレイに集中したのを確認してから中田くんがそう呟いた。
「うん、アレはエグい。男の俺でも絆されそうになるところだ」
「あー、それはお前、末期だわ」
「んなぁ」
なんの末期かは分からないが適当に相槌。
そしてふと横に立つ中田くんを視界に捕える。
しかし、と思う。
しかし、中田くんの言動もなかなかなものだと思う。
この長身クールボーイはイメージとは裏腹に意外と細かい心の機微にまで気付く。
でもそこに深く触れてしまわないようにそっと手を差し伸べるのだ。