昇って弾けたその場所は、だけどまだまだ笑えるほど低い場所で。
『綺麗だなぁ』
俺が少し手を伸ばしたくらいじゃ全然、そこで咲き乱れる色たちをかすることすら出来なくて。
だけど今はこれでいいんだと思う。
ゆらりゆらりと漂うこの場所で、俺は深い呼吸を繰り返せている。
今はそれだけで万々歳の花丸なのだ。
きっと、俺はこれからもまだ何度もあの冷たくて深くて暗い場所に来るのだろう。
だけどそれでいいんだと思う。
その度に俺は深い呼吸を繰り返して、昇って弾けて繰り返すんだ。
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