ブクブクブク。

 泡が昇るこの場所は、だけど温かくて、柔らかくて、澄んでいる。

 俺はこの場所で眠ると落ち着けて、安心できて。

ブクブクブク。

気づくと深い呼吸を繰り返す。

 大きく吸った空気は俺の体を軽くして、俺はいつの間にか泡と一緒になって弾けるその場所まで昇っている。

パンッ。

 小さく弾けたその場所からは色とりどりの光が降ってくるのが見えた。

 赤。

 青。

 黄。

 その色は濃紺色の中で咲き乱れている。

まるで、いつかキミが着ていた浴衣の色のようだなと思う。

 俺はその色たちに触れたくて手を伸ばす。