ブクブクブクと泡が上方へと昇っていく。
登りきった場所で、昇っていった泡たちは一つ残らず弾けて消える。
昇ったって消えてしまうだけなのに、それでも泡はいくらだって昇っていく。
ブクブクブク。
泡はまるで弾けるのを望んでいるかのように昇るほどに大きくなる。
俺は深いその場所でゆらりゆらりとその泡を見つめている。
俺がいるこの場所は冷たくて、深くて、暗い場所。
彩蓮が俺の中へ戻ってしまってから、俺は苦しくなるとその度にこの場所に来れるようになっていた。
ブクブクブク。
ここは冷たくて深くて暗い場所。
そこから昇る泡を見ていると俺はいつの間にか眠くなってくる。