バラけかけた皆を制止。

 だって、せっかくなら。

「場所ならさ、俺、いいとこ知ってるんだ。あそこなら場所取りの必要もないし。だからさ、今はみんなで屋台めぐりに集中しないか?」

 だって、せっかくみんなで来ているのにばらばらとかもったいない。

 勿論メインは花火だけど、せっかくならみんな一緒にこの祭りの雰囲気も堪能したい。

 それに……。

「それにさ、俺既にかなり腹減ってるんだよね。なのに座るまでとか待てそうにない。それにほら、こういうのって出来たての美味さとかってあるだろう?冷めたら勿体なくないか?」

「いいけど、本当にあるのか?そんな場所。なかったら立ち見だぜ?」

 中田くんは不安そうに様子を伺ってくる。

「大丈夫大丈夫。最近行ったばっかりだし、ちゃんと見えたし」

 中田くんの指摘に、答えながら少しだけ不安がよぎる。