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 海辺の会場は色々な音や匂い、沢山の人で満ちていた。

 連なる屋台。

 道なりにぶら下がっている提灯。
 
 その揺れる明かりに照らされた無数の色。

 見慣れているはずの、良く知っているその場所の、だけど目の前に広がっている光景の美しさに思わず息を呑む。

「よっし!回りますかー!」

 イッチーの呼びかけに一同揃ってその空間へ足を踏み入れる。

 屋台からのソースの匂いに食欲がそそられる。

 すっかり正常な胃を取り戻していた俺は早速「たこ焼きが食いたい」と提案。

「うん、当たり前に買うさ。じゃあチームに別れるか。俺と成流は粉モノ制覇してくる。残りは飲み物買ってさっさと場所取りよろしくー!」

「待って」