煩いのだ。
外で鳴いている無数の蝉と比べ物にならない煩さ。
イッチーは事あるごとに脱線してずっと何かしらのちょっかいを出してきた。
一人で脱線してくれるのならまだ可愛いもので、イッチーは脱線にこっちも引き込むのご厄介だった。
結果、イッチーと一緒だと課題は全く持って進まない。
のにだ!
当の本人であるイッチーは何故か課題をどんどん進めている。
一体どういう原理でそんな芸当を行っているのか……。
とにかく、それっきり俺は一人で静かに課題に取り組むことを心に誓った。
連絡はちょくちょく取っていたから皆がどんな夏休みを過ごしているかは把握していた。