話している間はめちゃくちゃ怖かった。

上手く伝えられているかも分からない。

 不安だった。

 話さなきゃよかったかもって後悔もあった。

「言いたいことは沢山あるけど、取り敢えずはいいや。だって、今の成流は”俺”だから」

 だけど、イッチーのその言葉に、やっぱり話してよかったなって。

 やっと言えたって。

 許してもらえるんだって。

 安心した。

 嬉しくなった。

 今まで勝手に作り上げていたものの無意味さに馬鹿らしくなった。

 こうして話せたことに、馬鹿らしいとか思えたことに、あの日海に行ってよかったなって、思った。