━━━ 外に出ると夏の空気が一気に押し寄せた。 昼過ぎの高い位置にある太陽からの強い光線。 聞こえてくる大音量がまた夏を強く感じさせる。 暑いなぁ、と。 うるさいなぁ、と。 夏だなぁ、と思う。 「暑いよぁ」 「暑いな」 「花火、楽しみだな」 「ああ」 二言三言交わすとすぐに車までついてしまう。 この狭い町で、車に乗ってしまえば家まではすぐそこで、車の中ではほとんど言葉を交わすことなく家に着いた。