「大丈夫だよ。いじめられてるとかそう言うのは全然ないから。そうだ。俺のスマホってある?」
「あるわよ」
母さんはそう言うとパイプ椅子から立ち上がり部屋に備え付け垂れているロッカーを開け俺のスクールバックを取り出す。
「この中に入ってるわ。制服は濡れてたしクリーニングだけどカバンは勝手にいじられるの嫌だと思ってそのままにしてたから」
「ありがとう」
そう言ってから、俺はカバンからスマホを取り出す。
彩蓮といたあの世界で、イッチーからの着信があったのを思い出し、なぜかそれがめちゃくちゃ気になったのだ。
やっぱり。
案の定、待ち受け画面には沢山の通知が来ていて、そのほとんどはイッチーからのものだった。