まだ煙いその空間で、月明かりに照らされた彩蓮は優しく笑う。

「私は成流で、成流は私だから」

 ああ。

 キミはなんて満ち足りた顔で笑うのだろう。

 その微笑みを見ているととても安心できた。

 さっきまで感じていた寂しいという感情も消えた。

 ああ、だから。

「成流」

 それだから。

「おかえりなさい」

 俺はどうしようもなく眠くなる。