そんな間にも花火はいくつも打ちあがり真っ暗な空を飾っていく。

「私?」

 彩蓮は静かに呼吸を繰り返しながらそれを見上げている。

「私は元居た場所へ帰るだけだよ。そこがずっと前から私の居場所だもん。そこ以外に帰る場所なんてないでしょ?」

「それはつまり、俺の中にってことか?」

 ヒューウ。

 バァン!

「おおー!」

 ラストに向け激しくなっていく花火に歓声が大きくなる。

 本当はずっと奥にはその感覚があった。