だけど、そんな俺にキミはこっちを見ないまま口角を上げる。

 頭上では絶えず光の花が咲き続けている。

 少し離れた会場からは人々の歓声。

 すぐ近くでは蝉が相も変らず鳴いている。

 そんな中で、キミはそれら全部を受けながら優しく口角を上げている。

 その姿に息を飲む。

 ああ、やっぱりキミは、と思い知らされる。

「成流、良かったね」

「ああ」

「ねえ?本当に分かってる?成流は自分で思ってるよりも自分の事を信じてるんだよ?」

「ああ、分かってる」

 分かってる、分かってるさ。

 だからこれが最後なんだろう?