花火の昇る音に 『わあー!』 と再び歓声が上がる。 遂に打ちあがったのだ。 バァーン! 大きな音と共に柔らかな光が花開く。 これはきっと、終わりの花火だ。 「すごいね。綺麗だね」 彩蓮は静かな声でそう言っている。 その声の大きさに、やっぱり最後なんだと自覚する。 「ああ、とても綺麗だ」 俺はそれだけを返すのでいっぱいいっぱいだった。 苦しくて、喉が詰まって、溢れてしまいそうで……。