ミーンミンミンミン。

蝉の鳴き声の合間に混ざる呼吸音。

吸う音。

そして吐く音。

長距離走の後の激しいやつでなくてきっと眠っている時のそれに近いゆったりと深いリズム。

そういう音がよく聞こえてきた。

あまりにはっきりと、意識しなくても強く聞こえてくるから少し驚いた。

それでも次第に耳はその音に慣れていく。

 慣れた上で、生きている音が血に乗って体中を巡る。

 何だかとても心地いい。

 普段は意識をしないから聞こえないけど、この音はいつだって俺の中を巡っている。

ヒュルルルルー。