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イッチーの願い虚しく梅雨の間殆んど雨は降らなかった。
ザァーザァーザァー。
そして何故か梅雨明けと共にやって来る雨。
遅刻してきた雨雲は梅雨が明けてからというもの殆んど毎日雨を降らせていて、今日の雨はこれで連続三日目だった。
ここまで連続で強い雨が降るのなら今が梅雨なのではないのかとか思えてくる。
一体お国は何を持って梅雨入りとし、何を持って梅雨明けとしているのだろう。
数日前よりも今のほうがよっぽど梅雨らしいと思うのだが。
「成流くん、本当にごめんね」
「いいよ。それに波野さんが謝ることじゃないしね。僕にも波野さんにも謝らなくちゃいけないのはイッチーだ」
中間定期考査を終え、夏休みを目前に控えたある日の放課後、俺は波野さんと二人で廊下を歩いていた。