だって聞いていないとか云々じゃなくて、そんなの関係なくて、俺は一言だってそんなことを言った覚えがない。
付け加えるならば残念悲惨だけどそんな事実を経験した記憶もない。
「で?どんな子よ?ん?ほら、隠してないで教えなってー」
沈黙を照れだと受け取ったのか、鈴城さんはニヤニヤしながら俺の腕をつついてくる。
「いやいねーよ?彼女とか?年齢イコールってやつですけど?」
ガタッ!
「え?はい?待って待って待って」
勢いよく立ち上がり、鈴城さんは壊れたCDのように繰り返す。
「待って待って待って?本当に待って?」
うん、今の状況を整理するに待つのは俺でなく鈴城さんだと思うんだけど。
「飲む?」