花火を見るだけならグループに別れる必要もなく、ならば奇数でも問題は無い。
でも、奇数はなんだか落ち着かない。
イッチーとも中田くんとも、鈴城さんとも波野さんとも俺は違う。
勝るどころか真似ることすら出来はしない。
俺じゃなきゃダメなものを持っていない。
なら、最初から行かない方がきっといいんだ。
その方が後々の関わりがスムーズにいくはずだ。
そうした方が誰も気を使わずに済む。
気楽にこの町一番のイベントを楽しめる。
「まあ、そこは成流の自由にしたらいいけどさ」
中田くんは小さく呟く。
そして今度は彩りのいい炊き込みご飯を一口。
改めて豪華な弁当だよなぁと思う。
「でーもさ?やっぱせっかくなら強制連行してでも一緒に行きたいよなー」