「イッチーはバカなのかな?あれは結構な強さたったんだけど。イッチーには加減ってものをさ、誰かが教えとかないといつか危なくない?って思うのはあれを食らった僕だけなのかな」
「どういう経緯だったのさ」
「なんも?ただイッチーが夢見る少女みたいなこと言ってるからさ。乙女だなって言っただけ。そしたらあれよ」
俺は箸を片手にやれやれと首を振る。
「ふーん?」
中田くんは興味のない素振りでコロッケを口内へ投げ込む。
それはきっと中田くんちで出している一番人気のかぼちゃコロッケだ。
中田くんのお父さん方は元々地元で惣菜屋を営んでいた。
横浜から中田くんのお母さんが嫁いできてからは店のリフォームが施され町に不似合いな存在感でお洒落なおかず屋さんとして運営している。