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キーンコーンカーンコーン。

午前の授業の終わりを告げる鐘の音とほぼ同時に腹を空かせたクラスメイトたちは各々の定位置へとバラけていく。

「さっきは大丈夫だったか?」

 教室の一番前の窓際の机で弁当を開いていると中田くんがいきなりそんな事を聞いてきた。

(この場所はイッチーと中田くんの定位置で、俺も週の殆どはこの場所で昼飯を食っている)

 因みにイッチーは生徒会の招集をくらい、今日は俺と中田くんの二人でのランチタイムだ。

俺は中田くんの指すさっきが分からず首を捻る。

「さっきさ、イチに攻撃食されてただろ?」

「ああ、あれか」

 中田くんの指す”さっき”に苦笑いがこみ上げる。