夏休みと共に毎年やって来るあいつ。

 ああ、そうだ。

彩蓮だ。

 彩蓮もイッチーと同じく花火を楽しみにしている。

そうか、会場にはイッチーたちも来るのか。

そうだよなぁ。

あれだけ頑張って開けた瞼はもうぴっちりと閉じている。

意識はどんどんふわふわと落ちていく。

頭がぼうっとして、意識は不鮮明で。

ただ分かるのはここが冷たくて深くてくらい場所だということだけ。

あれ?

それはさっきまで見ていた夢だっけ?

それならここはどこだ?

ああ、そうか。

ここは自分の布団の中で、みんなまだ寝静まっているんだっけ。