そうか。

静かで何も無いから惹かれたんだ。

だから俺は足を前に踏み出していたんだっけ。

チカチカと視界の端で光る小さな光。

じゃあこの光はなんだ?

こいつは何者で、なんのために光ってる?

ブッブーブー。

その時、再びさっきの音が響いた。

ああ、そうだ。

これはスマホのバイブ音だ。

二度目のスマホのバイブ音で意識が輪郭を持ち始める。

そうか、俺は眠っていたんだ。

それじゃあこの暗くて静かな世界は、歩いている俺は……夢か?

俺は強く納得した。