まあ、彩蓮が着る浴衣なんて何でもいいのだが。
浴衣も着てしまったしという事で俺達は早めに家を出て花火会場である浜へと向かうことにした。
浜へ向かう途中の道。
普段はコンビニどころか自販機すらない道には沢山の露店が並んでいる。
人だって普段は片手で足りるくらいしかいないのに、何処から来たのか見かけない顔が沢山並んでいて蝉の鳴き声よりも大きな声が充満していた。
「みんな楽しみにしてたんだねー。晴れてよかったね」
「お前が一番楽しそうだよ」
しみじみと言っているが彩蓮の手には綿菓子とラムネの瓶。
プラス俺は焼きそばと広島焼きを持たされている。
「楽しいよ?当たり前じゃん!お祭りと言えば屋台だもん!」
「花火はどうしたよ」
「だって花火はまだ始まってないからねー、っとっとっと」