「もぉー、ため息ばかりついてないで手を動かしてよねー」

やれやれと首を振りながら、だけど手は止めずに彩蓮はトウモロコシを素っ裸にいていく。

と言うか、こいつはこれで満足なのだろうか?

わざわざこんな田舎に来て?

毎日毎日何をするでもなく図書館に行って?

あまつさえ畑仕事なんかやらされて?

って言うか白いな。

半袖から伸びる彩蓮の腕を見て改めて思う。

彩蓮は白い。

元々色白ではあるが、それにしても全く日に焼けてる風でもなく真っ白だ。

多分そういう体質なのだろう。

ミーンミンミンミン。

ジージリジリジリー。

ああ、しかし本当によく鳴くなぁ。