彩蓮はにっこり微笑んでから部屋を出ていく。

俺はそれを見送ってからもう一度空に浮かぶ輪っかを見る。

もしかしたらこんな光景は残りの人生でもう見れないかもしれない。

写真に残そうか。

そう思い枕元に置かれたままのスマホを見、だけど、と思い直す。

多分、この凄さは写真の中には残せない。

これは自分の脳に刻み込むしかないのだ。

少しずつ薄れていく光をみながらそんな風思った。