「まーた馬鹿なことを。太陽ってか宇宙がイチみたいな一個人、しかもふっつーの高校男子に恨みを持つかよ。そもそも俺らなんて認知されてねーから?安心しとけ?」
「でもよく言うじゃん?『お天道様には全てお見通し』って。ならやっぱ地上全てのモノを奴は認知してるんじゃ?」
「仮にそうだとしよう。だとしてイチはこの地上の全てのモノの中でずば抜ける何かをしたのか?それも恨みを買うような邪悪なことを?イチ、お前何したんだよ……」
「いや、まあ、そう言われるとこれと言って何かしたとかじゃないが……。くそ!うるせーなぁ。なんでこんなクソ暑ちぃ日に限ってそんなことに突っかかってくるんだよ。ふっつーの一高校生の戯言だわ!」
イッチーは語尾を上げ、そのノリのまま中田くんを小突く。
イッチーの言ってることは実に的を得ている。
いつもは興味なさげにスマホを弄っているのに、何故こんなただ零れただけであろうイッチーの言葉に、中田くんはこんなにも強く反応したのだろう?