「もう!なんでよ?起きたなら見てよ?ほら、起きて?見て?」
気持ちばかり小さくなった声に急かされてのろのろと立ち上がる。
別に教えてくれたらそれで済むのにとか思うが言ったとしてこいつの意見をこのボリュームで聞くのも憚れた俺はのろのろと窓へと向かう。
それを彩蓮は「早く早く」とめちゃくちゃ急かしてきた。
「ほら!見て!」
窓まで行くと彩蓮が一気にカーテンを開けた。
視界いっぱいに広がる光に俺は思わず下を向く。
それからだんだんと慣れてきた目を上に向けると、
「おおー」
「ね?すごいでしょ?」
そこにはまん丸の輪っかが大きく空を陣取っていた。